破産を検討すべき状況について,法律上,自己破産を申し立てることができる条件として,①支払不能,または,②債務超過が挙げられています。
①の支払不能とは,借入れが増えて,資金繰りが苦しくなり,支払日がきている債務について,継続的,一般的に支払いができない状態をいいます。つまり,一時的に遅れるというような状況ではなく,今後,ずっと支払いができず,追いついて改善することができないような状態をいいます。
②の債務超過とは,決算書の貸借対照表上,資産よりも負債の方が多くなっている状態をいいます。
法律上,上記①か,②の状況であれば,自己破産を申し立てることができることになっていますが,現実的には,②の債務超過であったとしても,手元の資金が回っており,①の支払不能になっていなければ,事業を継続することが可能であるため,自己破産を申立てしなくてもよいといえます。
これに対し,①の支払不能になった場合,金融機関,仕入れ先等への支払いができていないということを意味するため,事業の継続が不可能になってきますので,自己破産を検討すべき状況であるといえます。
ただ,支払不能になってから,自己破産を検討すると対応が遅くなってしまいますので,毎月の資金繰りを確認しながら,資金ショートする時期が明らかになった段階で,事業継続と自己破産の両方の可能性を考えつつ,事前に,弁護士へ自己破産の相談を行い,基本的な知識や手続きの進み方など,知っておくべきです。