破産,廃業時,従業員の未払いの給与があれば,支払いを行う必要があります。
法人,個人事業主が現金,預金を持っていれば,そこから支払いを行うことで問題がありません。
破産手続きの準備に入った段階で,法人,事業主のお金の使途の制限がかかります。
特に問題のない使途として,破産申立ての弁護士費用が挙げられます。
また,法人,事業主の債務について,優先順位というものがあります。具体的には,税金,公租公課,及び従業員の給与,労働債権が金融機関や取引先等の債権に優先することになります。
そのため,従業員の未払給与は,法人,事業主の財産から支払いを行ってもよいということになります。ただ,長期間の未払給与がある場合,どこまで支払いを行うかは個別にご相談ください。
また,法人,事業主が行った仕事に対し,未払いの売掛金があり,今後,売掛金回収の見込みがあれば,回収した売掛金から,従業員の給料を支払うことができます。
ただ,注意が必要なのは,法人,事業主が破産,廃業をしたことにより,未払いの税金,公租公課があれば,未回収の売掛金を差押えられる可能性があります。そのため,給料の支払い時期について,確実な約束を行わない方がよいでしょう。
もし,法人,事業主の財産から,従業員の給与を支払えない場合,破産申立てを行った後,労働者健康安全機構(旧:労働者健康福祉機構)での未払給与立替制度を利用することになります。