自己破産をした場合,破産申立てを行ったご本人の保険について,解約返戻金がいくらあるのかを把握することになります。
加えて,ご家族が契約者で加入している保険についても,保険の有無,解約返戻金の金額を把握することになります。
自己破産をした場合,手元に残せる財産として,99万円までしか残せないという決まりがあります。
その際,99万円の対象となる財産は,破産申立てを行ったご本人の保険のみが対象となり,ご家族名義で加入している保険については,対象外となります。
ただし,夫が破産をする場合で,夫のみに収入があり,妻が専業主婦で保険を支払うお金がなかった場合や,保険の契約者名義が妻であるが,夫名義の銀行口座で毎月の保険料を支払ってきた場合など,名義の形式上,妻名義の保険になりますが,実質的には夫名義の保険と見做される可能性もあります。
また,夫が破産をする場合で,夫名義の保険について,直前に妻に名義変更をしたような場合,財産隠しになってしまい,名義戻したうえで解約,没収されてしまう可能性もあります。
そのため,保険の契約がある場合,①契約者が誰の名義になっているのか,②保険を支払っている銀行口座の名義の確認,③保険の解約返戻金額を確認した上で,複数保険の契約がある場合,自由財産99万円の上限を考慮に入れて,全ての保険を残したいのか,選択される場合,どの保険を残して,どの保険を解約するのかを検討する必要があります。
保険の契約が複数口あり,解約返戻金がある場合,保険の契約内容を確認したうえで,保険の処理についてのご希望を確認させて頂きます。