自己破産をした場合,免責という形で,残っていた債務の支払義務を免除してもらうことが可能です。
しかしながら,破産をすれば,いかなる場合であっても,免責が認められるというものではありません。
破産法上,免責不許可事由というものが規程されています。具体例として,ギャンブルをした場合,浪費をした場合等,簡単に免責を認めてしまうと問題があると考えられております。
ただ,ギャンブルや浪費をした場合であっても,一切免責が認められないということになると,破産をしても,免責を受けることができず,一生,債務を支払っていかないということになり,非常に過酷な結果になります。
ギャンブルや浪費があったとしても,程度問題ということもありますし,ご本人の反省の態度やその後の生活状況を踏まえたうえで,総合的に考慮して,例外的に,裁判官の裁量で免責を認められることが多いです。
また,ギャンブルや浪費の程度がひどい場合,あらかじめ破産を回避して,個人再生の申立てを検討することも可能ですし,自己破産の審査において,免責観察形の破産管財事件として,免責を認めてもらえる可能性もあります。
これに対して,破産手続き中,例えば,財産を隠したり,うその説明をしたり,破産手続きに協力をしなかったりという場合も免責不許可事由になります。
ギャンブルや浪費は,過去の行為であって,今更どうにもできませんが,財産隠しやうその説明,破産手続きへの協力をしないということは,今現在の行為であり,後者の方が悪質性が高いと考えられ,かかる事情が酷ければ,免責不許可になる可能性があり得ます。