破産のための準備として,以下のものを準備して頂く必要があります。ただ,これらを完璧に揃えてから,弁護士へ相談をしないといけないというものではありません。分かりにくいことも多いと思いますので,一度,法律事務所へご相談にお越し頂きましたら,内容について,詳しくご説明させて頂きます。
また,ご準備頂く際も,一回で完璧を要求するものではありませんので,分かる範囲でご準備頂きましたら,不足,不明点は弁護士から個別にご説明させて頂きます。
破産相談段階
まず,破産を行うかどうか判断をするため,借入先,債務額を把握しておく必要があります。そのため,簡単なもので結構ですので,紙に借入先,債務額を書き出してご準備頂きましたらスムーズに話が進みます。債権者の整理は,次に述べます債権者一覧表のたたき台のようなものになります。可能であれば,この段階で債権者一覧表としてご提出頂きましても結構です。
次に,法人,代表者,個人事業主ともに,どのような財産があるのかを把握する必要があります。そのため,法人,代表者,事業主を区別して,例えば,法人名義で自動車が5台あり,そのうち,3台ローンあり,残り2台ローンなし,時価約50万円というように,お分かりになる範囲で財産の状況を整理して頂きましたら理解が容易になります。
弁護士へ依頼時に必要なもの
1 債権者一覧表
法人,代表者,あるいは個人事業主の方ともに,受任通知の発送から始まります。受任通知を各債権者に速やかに発送ができるよう,債権者名,及び債権者の住所を正確に把握しておく必要があります。
金融機関(支店名まで必要),信販会社,消費者金融,ビジネスローン,保証協会,リース会社(リース物品が何か,リース物品の所在も記載してください。),仕入れ先等,名前,住所を把握し,債権者一覧表という形で提出して頂く必要があります。その際,債務額についても記載してください。債務額について,正確な金額が分からなくても,約50万円というようにおおよそでよいので,金額も記載してください。
債権者一覧表作成時の注意点ですが,法人,代表者の区別を明確にしてください。法人の借入で代表者の連帯保証があるもの,法人のみ,代表者のみを区別できるようにお願い致します。
可能であれば,エクセルシートで作成のうえ,データで提出して頂いた方がスムーズに進めることができますが,パソコンがない,使えないという場合,手書きで紙に書き出して頂いても結構です。
加えて,未払の労働債権があれば,従業員の氏名,住所,未払給与額も加えてください。
さらに,未払の税金,公租公課があれば,例えば,消費税,○○税務署,住所,金額という形で整理してください。
2 法人について
・ 法人の実印,銀行印,ゴム印
・ 法人の登記事項証明書(履歴事項全部証明)
・ 取締役全員の破産申立同意書(当法律事務所でひな型を作成致します。)
・ 法人名義のクレジットカード,ETCカード等カード類全て
・ 確定申告書,決算報告書,勘定科目内訳書ともに直近2年分
3 法人代表者,個人事業主について
・ 個人の認め印,身分証(運転免許証)
・ 個人名義のクレジットカード,消費者金融カード,ETCカード全て
・ 個人事業主の場合,確定申告書直近2年分
破産準備開始段階
店舗,事務所,倉庫,駐車場等の明渡し(原状回復)
店舗,事務所,倉庫,駐車場等,賃借物件があれば,各契約書をご準備ください。また,速やかに現地調査を行い,原状回復の必要性,原状回復の工事費用,在庫商品,什器備品,機械類,自動車等の処分の必要性,処分金額を把握しないといけません。
明渡付随事項(公共料金の契約解除)
店舗,事務所,倉庫,駐車場等の賃借物件の明渡しに付随して,これまで賃借物件で使用をしていた電気,ガス,水道,固定電話,インターネットのプロバイダーの契約等があれば,個別に,契約を解除しておく必要があります。
また,明渡しとは直接関係しませんが,インターネット上のホームページを開設していたり,楽天市場等で広告を出している場合,サーバー等の契約を解除して,今後,ネット上でサイトへアクセスできないようにし,追加注文等が入らないよう,可能な限り手配を行っておく必要があります。
リース物件等の返却
リース物件が残っていれば,弁護士へ,破産の依頼をした後,リース物件の返却を行う必要があります。そのため,リース会社の名前,住所,リース物件の内容を整理し,速やかに,リース会社へ連絡を取る必要があります。
自己破産申立てに必要な資料
1 法人,個人事業主について
・ 銀行の通帳全て,ネットバンクの明細1年分,当座勘定照合表
・ 保険証券,解約返戻金証明書
・ 自動車の車検証(自動車の任意保険証券)
・ 不動産の権利証,登記事項証明(登記簿謄本),固定資産税評価証明書
・ 事務所,倉庫,工場等の賃貸借契約書(火災保険証券)
・ 給与明細,賃金台帳,従業員名簿,退職金規程
・ 現金,預金出納帳,手形・小切手帳
・ 売掛台帳,請求書控え,納品書
・ 受取手形・小切手
・ 住民票(事業主のみ,世帯全員の記載のあるもの,省略のないもの)
・ 家計収支票2ヶ月分(事業主のみ)
2 法人代表者について
・ 源泉徴収票2年分
・ 住民票(世帯全員の記載あるもの,省略のないもの)
・ 銀行の通帳全て,ネットバンクの明細1年分
・ 保険証券,解約返戻金証明書
・ 自動車の車検証(自動車の任意保険証券)
・ 不動産の登記事項証明(登記簿謄本),固定資産税評価証明書(火災保険証券)
・ 自宅の登記済証(権利証),登記識別情報
・ 自宅が賃貸の場合,賃貸借契約書(火災保険証券)
・ 給与明細2ヶ月分
・ 家計収支票2ヶ月分